おおなみ眼科クリニック 多賀城・塩釜・中野栄・岩切・高砂・利府・蒲生・眼科・花粉症・流行性角結膜炎(はやり目)・飛蚊症・緑内障・ドライアイ

目の健康コラム

ここでは、眼科で頻度の高い疾患や症状などについて分かりやすく説明します。
皆様から寄せられる様々な質問の中から特に多い疑問についてもお答えしていきます。
こちらに掲載されていない内容でも院長自ら丁寧にお返事いたしますので、疑問に思うことがあれば遠慮なくご質問下さい!

1.花粉症
2.流行性角結膜炎(はやり目)
3.飛蚊症
4.緑内障
5.ドライアイ
6.散瞳検査
 

参天製薬様の目の病気百科
 

1. 花粉症

Q1 目の花粉症はどんな症状が出るの?

  • 目に生じる花粉症(アレルギー性結膜炎)は、目の充血、めやに、かゆみ、まぶたの腫れなどの症状を引き起こします。
     

Q2 治療は?

  • 治療は点眼薬の使用が主体で、抗アレルギー剤やステロイド剤などを組み合わせて行います。症状の出る前(2週間程度)から抗アレルギー剤の点眼を開始することで、症状の軽減、症状が出る期間の短縮が可能となります(初期療法)。毎年、花粉症に悩まされる方は、お住まいの地域のスギ花粉の飛散予報を参考にして、花粉が飛び始める前に眼科を受診し、点眼を始めると良いでしょう。東北地方は例年3月上旬から花粉が本格的に飛散することが多いとされていますので、2月になったら眼科を受診し点眼を開始することをお勧めします。
     

Q3 他に注意することは?

  • また、原因となる花粉を回避するために、花粉の飛散の多い時には外出を控える、ゴーグル型メガネをかけることも有効です。症状がある時に目をこすると、かゆみが余計に強くなったり、まぶたが腫れてしまいますので、かゆくても目はこすらずに、冷たいタオルで冷やすようにすると良いでしょう。
 

2. 流行性角結膜炎(はやり目)

Q1 流行性角結膜炎(はやり目)とは?

はやり目

  • アデノウイルスの感染による結膜炎で、人にうつりやすいため「はやり目」と呼ばれます。
     
  • 目の充血、めやに、なみだ、異物感などの症状が激しくあらわれます。片目に症状が出てから数日遅れて両眼に症状があらわれます。症状は発病から1週間程度が最もひどく、その後だんだんと改善して2~3週間で治ります。
     
  • 目からアデノウイルスを検出するキットがあります。これは綿棒で結膜をこすり、10分待てばウイルスの有無が分かるという優れものです。この検査で陽性と出れば間違いなく流行性角結膜炎といえます。しかし、この検査が陰性だからといって流行性角結膜炎を完全には否定することができないところが弱点です。
     

Q2 治療は?

  • すぐに効く特効薬はありませんので、ウイルスに対する抵抗力をつけるため、休養を十分にとって体力を落とさないことが必要です。治療は対症療法を行います。混合感染を予防する厚生物質の点眼などを行います。
     
  • 結膜炎の症状がおさまってきた頃に、くろめ(角膜)の表面に小さな点状の濁りが出てくることがあります。この時に治療をやめると、くろめの濁りが残って視力が低下することがありますので、治ったかなと思っても医師がいいと言うまで点眼治療を続けるようにしましょう。
     

Q3 注意することは?

  • 感染力が非常に強いため、流行性角結膜炎と診断されたら、医師により感染のおそれがないと言われるまで学校や仕事は休み(発症後約2週間くらい)、自宅療養する必要があります。
     
  • 家庭内でも手指の消毒、タオルや洗面器の区別、おふろは最後に入るなどを行い、感染を広げないよう注意することが大切です。

3. 飛蚊症

Q1 飛蚊症とは?

  • 明るい所や白い壁などを見つめた時、目の前に虫や糸くずのような浮遊物が飛んで見えることがあります。このような症状を「飛蚊症」と呼んでいます。
     

Q2 飛蚊症の原因は?

  • 眼球の中の大部分は、硝子体と呼ばれるゼリー状の透明な物質が詰まっています。この硝子体に何らかの原因で濁りが生じると、明るいところを見たときにその濁りの影が網膜に映り、あたかも虫や糸くずなどの浮遊物が飛んでいるように見え、飛蚊症として自覚されます。
     
  • 歳をとると硝子体はゼリー状から液状に変化し、硝子体は次第に収縮して網膜から剥がれます(硝子体剥離)。この加齢性変化が硝子体の濁りをもたらしますが、髪が白髪になるのと同じようなもので生理的な現象です。大半の方はこの生理的飛蚊症であり、治療の必要はありません。
     
  • しかし、飛蚊症の中には網膜裂孔、網膜剥離、硝子体出血、ぶどう膜炎など早急な治療が必要な疾患が原因となる場合があります。いずれも放っておくと失明にいたることもある疾患です。
     

Q3 どうすればいいですか?

  • 飛蚊症を自覚されたら、その原因が生理的なものなのか、病気なのか自分で判断せず、眼科で検査を受けましょう!
     
  • 生理的飛蚊症と診断されたら、同じ程度の症状であればあまり気にしなくていいでしょう。ただし、浮遊物が急に多くなったり、形が変わったり、視力が落ちるようであれば、定期受診日を早めて受診するようにしてください!

4.緑内障

Q1 緑内障とは?

  • 緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝える視神経が、眼圧(目の硬さ)などによって障害され、視野(見える範囲)が狭くなる病気のことです。
  • 一般にその進行はゆっくりであり、普段人は両眼で見ているため、緑内障がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。
  • 40才以上の20人に1人が緑内障であると報告されています。中年以降には検診を受けるようにしましょう!
     

正常
正常

初期
初期

中期
中期

後期
後期

 

Q2 診断は?

  • 緑内障は、眼圧検査、眼底検査、光干渉断層計(OCT)、視野検査などから総合的に診断されます。
  • 特に、近年のOCTの進歩は目覚ましく、極早期の緑内障を発見できるようになってきています。
     

Q3 治療は?

  • 緑内障の治療の目的は、視野障害がそれ以上進まないようにすることです。
  • そのために、眼圧を下げる目薬を用いた治療を行います。様々な点眼薬が開発されており、点眼薬で進行を抑えられる割合が増えてきています。
  • 点眼薬で進行を食い止められない場合は、レーザー治療や手術を行うことになります。

Q4 注意することは?

  • 残念ながら、一度失ってしまった視野を回復させることはできませんが、きちんと治療を続けることで視野を守れる可能性が高くなりますので、定期通院が何よりも大切です!
  • 治療しないまま放置すると、知らず知らずにさらに進行してしまい、失明することもあります。
     

 

5.ドライアイ

Q1 ドライアイとは?

  • 涙液(なみだ)は、かよわい目を守るベールです。
    1)目の表面を外界から守り乾燥を防ぐ、
    2)角膜に栄養や酸素を届ける、
    3)目が鮮明な像を結べるように角膜表面を滑らかに保つ、
    4)バイ菌などの侵入や感染を防ぐ、
    5)ゴミやホコリを洗い流すなどの重要な働きをしています。
  • ドライアイとは、涙液の層が不安定になって、眼不快感や見にくさを引き起こす疾患です。角膜表面の障害を伴うこともあります。
  • ドライアイの患者数は2200万人存在するといわれており、国民6~7人に1人がドライアイに罹患していることになります。
     

Q2 ドライアイの原因は?

ドライアイの原因
  • ドライアイの原因は、冬場の空気の乾燥だけではありません。夏場も室内のエアコンにより室内が乾燥しがちです。
  • 現代社会は涙を乾かす要因に満ちています。パソコンやテレビ、スマホ画面などのモニターを見続ける生活により、まばたきが減少して涙が乾きやすくなります。また、涙の分泌は副交感神経(リラックスしたとき)に支配されており、交感神経優位(緊張時)には減少するメカニズムがあります。現代人はさまざまなストレスにより涙の分泌が抑制されているのではないかという考えもあります。
  • 加齢に伴う涙液量の低下や安定性の低下なども指摘されています。
  • さらにコンタクトレンズの長期・長時間装用や、夜型の生活、食生活の変化、運動不足など、ライフスタイルの関与も指摘されています。
     
 

Q3 ドライアイの症状は?

  • ドライアイの症状は単に乾くだけではありません。目が疲れる、目が痛い、目やにが出る、目がゴロゴロする、理由もなく涙が出る、物がかすんで見える、目がかゆい、目が重たい、目が赤くなりやすい、なんとなく目に不快感がある、光をまぶしく感じやすい、というような症状が現れます。
  • また近年、ドライアイはうつ病、睡眠障害、ストレス障害などと関連があるとも言われています。
     
 

Q4 ドライアイの治療は?

 

  • 涙液に潤いを与える点眼薬、涙液の成分である水分やムチンを出す点眼薬、眼の障害を治す点眼薬などを処方し、涙液に補充します。ほとんどの人はこれらの点眼薬で徐々に症状が改善しますので、根気よく点眼を続けましょう!目の不快感が改善すると心も明るくなります!
  • また、涙液の流出路をふさぐプラグを挿入することもあります。
     

 

 

Q5 注意することは?

  • ドライアイの状態によって、点眼薬は増減しますが必要がなくなることはほとんどありません。症状が軽減しても点眼を自己中断すると角膜障害が悪化することがありますので、定期的に眼の状態を確認してもらうことが大切です!
  • ドライアイは環境要因が大きいですから、モニターを長時間続けて見ない、エアコンを使用する時には加湿器も併用する、ゆっくりお風呂に入る、ドライアイの状態が悪い時にはコンタクトレンズを装用しないでメガネを使用するなどを注意すると良いでしょう。
     
  • 注意

 

6.散瞳検査

Q1 散瞳検査では何を調べているのですか?

散瞳検査

  • 眼科医は、瞳孔に光を入れて眼球の中を観察します。散瞳(瞳孔を開く)をしなくてもある程度の観察はできますが、十分に正確な観察はできません。
  • 散瞳剤を点眼することで、眼底をより広く、より詳細に観察することが可能になります。白内障の進行度はどのくらいか、眼球の中に出血・炎症などがないか、網膜の剥離・血管閉塞・出血などがないかなど、ご自身では自覚できない病変を見逃さないように観察しています。
     

Q2 注意することは?

  • 散瞳することによる「まぶしい」、「ぼやける」といった症状は、3~4時間程度続きます。散瞳検査がある場合は、送り迎え、又は公共交通機関をご利用するのが望ましいですが、車・バイク・自転車などを運転される方は、十分に休んでから気をつけてお帰り下さい。