おおなみ眼科クリニック 多賀城・塩釜・中野栄・岩切・高砂・利府・蒲生・眼科・白内障・緑内障

白内障手術

  ここでは、白内障手術に関する質問について当院での行っている治療を中心に簡潔に分かりやすくお答えしていきます。こちらに掲載されていない内容でも院長自ら丁寧にお返事いたしますので、疑問に思うことがあれば遠慮なくご質問下さい!
※ここに書いてある事は一般的な白内障手術に関するものです。白内障の状態はひとりひとり違いますので、詳しくは担当医に確認するようにしましょう。

 

Q1 白内障とはどのような状態ですか?

  • 人の目は、よくカメラに例えられますが、カメラのレンズに相当するのが水晶体です。水晶体は、透明なゼリー状の中身が袋で包まれた構造をしています。光を目の奥に通し、ピントを合わせる働きをしています。この水晶体の中身が濁ってきた状態が白内障です。
     
  • 白内障は様々な原因で起こりますが、最も多いのは加齢によるものです。白髪になるのと同じ老化現象ですので、高年齢の人ほど多く発症します。
     
  • 白内障の主な症状は、「目がかすむ」といったものですが、水晶体の濁り方はひとりひとり違うため症状は様々です。「まぶしい」、「明るいところで見にくい」、「二重、三重に見える」などの症状も起こります。進行してくると視力も落ちてきますが、そのスピードには個人差があります。
     
  • 他の疾患で症状が出ている可能性もありますので、眼科専門医の診察を受けることをお勧めします。
     

Q2 白内障の治療は?

  • 日常生活に支障がない程度であれば、点眼薬により白内障の進行を遅らせます。
     
  • 白内障が進行して、日常生活に不自由を感じるようであれば、手術を行います。
     

Q3 白内障手術はいつ受ければいいのでしょうか?

  • 白内障の中には、目の中に炎症を起こしたり、緑内障を起こすものがあり、この場合には手術を急ぐ必要があります。
     
  • 上記のような白内障でなければ、日常生活で不自由を感じるようになった時に手術を受けるのが基本です。ただし、自己判断で放置しすぎると、白内障が極端に進行してしまい手術の難易度が増す場合もありますので、かかりつけの眼科を定期通院し状態の説明を受けると良いと思います。
     
  • 運転免許を今後も更新する予定の方は、眼鏡をかけても視力が0.7程度まで下がってきたら、余裕を持って手術希望の申し込みをするといいでしょう。
     

Q4 白内障手術はどのような日程で行われるのでしょうか?

  • 当院では、日帰り白内障手術を行っていますが、下記のように術前・術後は小まめに受診していただく必要がありますので、時間に余裕がある月を希望していただければと思います。
     
  • 手術日の2~3週間前に術前検査を行います。白内障の状態や眼底病変の有無などを詳しく調べ、目に合う眼内レンズを選ぶために、さまざまな検査を行います。
     
  • 手術当日は、手術予定日の指定の時間にお越し頂きます。点滴や点眼などの準備をして手術室で手術を受けて頂きます。手術後はリカバリー室でしばらく休んでもらいご家族と一緒にご帰宅いただきます。
     
  • 術後は、術後の状況に応じて、翌日、3日目、1週目、2週目、1ヶ月目などと受診の間隔を空けて診察していきます。
     

Q5 白内障手術について教えてください。

  • 手術は局所麻酔(主に点眼麻酔)で行います。麻酔後は、触られる感覚はありますが、一般に強い痛みは感じなくなります。
     
  • 現在、白内障手術は主に、水晶体の濁った中身を超音波で砕いて吸引し(超音波水晶体乳化吸引術)、人工のレンズ(眼内レンズ)を入れるという方法で行われています。超音波白内障手術器械は格段に進歩し、2~3mmの小さな切開で行われ、以前に比べれば安全性が高く回復の早い手術となってきています。
     
  • ただし、手術全般に言えることですが、簡単な手術というものはありません。頻度は少ないですが、白内障手術でも合併症が起これば失明にもつながる危険性がありますので、術前検査日の説明の際にはしっかりと医師から説明と受け、ご理解ご納得した上で手術を受けるようにしましょう。
     
  • 白内障が極端に進行して中身がカチコチに硬くなってしまっている場合、水晶体を支えている糸が弱く水晶体がグラグラと不安定な場合などでは、大きい切開から水晶体を丸ごと取り出す方法(水晶体嚢外摘出術、水晶体嚢内摘出術)になる場合もあります。
     

<超音波白内障手術器械を用いた手術の流れ>

手術の流れ1

 

1.黒目(角膜)の端を切開します。傷口は2~3mm程度です。

 

 
手術の流れ2

2.水晶体の袋の前面を丸くはぎ取り、濁った水晶体の中身を超音波で砕いて吸引します。

 
手術の流れ3

3.眼内レンズを挿入します。

 

Q6 眼内レンズについて教えてください。

  • 水晶体の濁った中身を超音波で砕いて吸引し、残った袋に問題がなければ眼内レンズを袋の中に挿入します。ただし、水晶体の袋に問題がある場合には、眼内レンズを袋の中に入れることができない場合があります。その場合は、眼内レンズを縫い付ける手術を後日改めて受けて頂くことがあります。
     
  • 眼内レンズは、円盤状のもので2本の足が付いています。最近の素材は柔らかいものになっていますので、一般に折り曲げて小さな切開から袋に挿入します。
     
  • 現在保険で認められている眼内レンズは、ピントが合う距離がひとつです(単焦点)。ピントの合う距離の前後はぼんやりしますので、必要に応じて眼鏡を作成していただきます。例えば運転する時には遠く用の眼鏡、新聞を読んだりする時には近く用の眼鏡などです。手術後1ヶ月程度で視力が安定してきますので、この時期に自分の生活スタイルに合った眼鏡を作成するとよいでしょう。
     
     

Q7 白内障手術当日の注意点はありますか?

  • 着替え、点滴、点眼などいろいろ準備をしてから手術を受けて頂きますので、手術予定日の指定された時刻に必ずご家族と一緒に来院するようにしましょう。
     
  • 手術を受ける時は医師を信頼し、不安にならずに精神的安定を心がけましょう。
     
  • 手術中は急に頭や体を動かすと危険ですので、何かあったら(くしゃみ、咳が出そうなど)手に持たされるブザーを遠慮なく押して知らせるようにしましょう。
     

Q8 白内障手術を受けた後の注意点はありますか?

  • 手術で眼には小さな傷口がついています。少ししみたり、ゴロゴロすることもあると思いますが、決して押したり擦ったりせず術後の指示を守るようにしましょう。
     
  • 自覚症状がなくても、細菌感染を起こしたり、眼内レンズが傾いたり、水晶体の袋の濁り(後発白内障)が発生したりすることがありますので、定期検査を受けることが大事です。
     
  • 目の調子が悪い時には予約日まで我慢せず早めに診察を受けて確認してもらうようにしましょう。